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フードの価格改定に関するお答え

鶏肉価格の推移(アメリカ合衆国)
USA-鶏肉価格の年次推移.png
【出典元】世界経済のネタ帳 http://ecodb.net/pcp/imf_usd_ppoult.html

昨日、お問い合わせのお客様へ
360-キャネディー<GF>ピュア_エレメンツwithラム_DOG FOOD
は、主要原材料10品目のうち、4品目が肉と魚です。
上位3品目が肉のため、単純計算で30%以上が肉に相当します。

他社のようにブロイラー、ブラジル・中国などからの危ない輸入肉、人間用として使用できない重金属などに汚染された原材料肉の副産物や副産物としても使用することができない加水分解タンパク質と名を変えたフェザーミールなどを使用するか、肉の比率を下げる(ペットフードの原材料の変化 Is Change in Pet Food a Good Thing? August 5, 2018 <英文>)ことによって価格の上昇を抑えることはできますが、その場合、病気にり患する確率は跳ね上がります。

今年7月入荷分から、西海岸の製造拠点が、アンダー・ザ・サンの製造プラントのあるテキサス州に変わり、全てオーガニックペットフードに変わりました。
アンダー・ザ・サンと同じように品質が向上したことも値上がりの一因です。
西海岸から日本まで船便で約1か月、テキサスからは約2ヶ月。
原油の高騰の影響を受ける輸送コストも上昇しています。
西海岸へ陸送しますと、船便よりも高い運賃が加算されます。
このようなことも要因のひとつです。

グラフは、アメリカ国内鶏肉価格の推移(年次)です。
10年前の約1.5倍、20年前の約2倍です。
ブロイラーでもこんな状況です。

私自身、以前より値上がりのたびに理由を問合せ、自分でも調べてご説明してきましたが、今回改めてここのブログへ書きました。
以下は私個人の見解です。
今後も2012年の大干ばつのようなことが発生しますと、更なる価格高騰が予想されます。
鶏は2kgの穀物から肉約1kgを作り出します。
豚は4kgから約1kg、牛は10kgから約1kgです。
このような天災とは別に、中国の影響があります。
最近、YouTubeにUPされたニュース動画の中で、ニューヨーク在住の解説者の話。
開始4分45秒あたりで「中国がカナダのロブスターをボイコットしてくれたら価格が下がる」と皮肉っています。


2年ほど前、仙台の牛タンはアメリカからの輸入がほとんどで、当時中国のバイヤーの買い占めが原因で2倍の価格に跳ね上がったと聞き及んでいます。
北海道のジンギスカンで使うラム肉も、中国で人気があり、同様です。
今年は豊漁で助かりましたが、去年や一昨年はサンマの美味しさを知られてしまったため、日本近海に来る前に中国漁船に獲られてしまい、価格が高騰したそうです。
「70億人が暮らす地球で、もし世界中の人々が日本人と同じ暮らしをしたら、地球2.9個が必要」とのこと。
ペットフードの品質と価格の維持は、今後も相当難しくなると予想しています。

【追伸】
先月ネット情報で見て、たぶん段ボール箱も値上げ?と思っていましたら、案の定、段ボール会社から値上げの予告はいりました。苦慮しています。
中国爆買いで段ボール不足 国内各社、原料調達困難 <産経ニュース|2018.11.23>
ダンボール箱を料理と交換 杭州の「深夜食堂」<AFP|2018.11.23>